【わたしの仕事と日常 #07】日揮グループのサステナビリティ経営を推進(仕事編)

目次
日揮ホールディングス(以下、日揮HD)では、サステナビリティ関連の新事業の創出を担うため、2019年10月にサステナビリティ協創部(現サステナビリティ協創オフィス)を設立しました。それと並行して経営企画部(現経営企画ユニット)にサステナビリティ推進グループを立ち上げ、日揮グループとして気候変動対応を中心としたサステナビリティ課題に 積極的に対応していくための体制づくりをスタートしました。今回の記事では、日揮グループのサステナビリティ推進に携わる若手社員に、業務の内容、やりがいを感じる瞬間などについて話を聞きました。(インタビュアー:サステナビリティハブ編集部)

日揮グループのサステナビリティ推進とは?
――初めに、日揮グループにおけるサステナビリティの位置づけと、サステナビリティ推進グループの業務範囲を教えていただけますか。
日揮グループは「Enhancing planetary health」というパーパスを軸として、社会価値の創造を通じて、企業価値の持続的な向上を図っています。これを実現するにあたって、環境、社会、ガバナンス、品質、安全、健康の分野での活動において、サステナビリティを積極的に追求していく方針を掲げています 。サステナビリィ推進グループでは、いま挙げた6つの分野の中で、まずは 「環境」分野でのサステナビリティを推進するべく、気候変動対応のための計画案や体制づくりや、サステナビリティ課題に関する非財務情報 の開示をおこなっています。

――花岡さんは、サステナビリティ推進グループ内でどのような業務をご担当されていますか。
大まかにいうと、① サステナビリティ委員会の運営事務局 ② 気候変動対応(CO2排出量削減の計画・モニタリング 、③ 非財務情報の開示対応(CDP*回答、最重要課題の見直し)、④ GXリーグ、国連グローバルコンパクトといった各種イニシアチブ対応 です。
*CDP(Carbon Disclosure Project):企業に対して温室効果ガスの排出量や、気候変動などに対する取り組みの情報公開を求める活動
サステナビリティ委員会とCO2排出量削減目標
――サステナビリティ委員会ではどのようなことが協議されているのでしょうか。
サステナビリティ委員会では年に3回、日揮グループ主要7社 *のトップマネジメントが集まり、サステナビリティ課題全般について話し合っています。例えば、気候変動対応については 「2050年カーボンニュートラル」に向けたグループとしてのCO2排出量削減への取り組みを協議しているところです。
*日揮ホールディングス、日揮グローバル、日揮、日揮触媒化成、日揮ファインセラミックス、日本エヌ・ユー・エス、日揮コーポレートソリューションズ

――現在、日揮グループが掲げているCO2排出量削減目標はどういった内容ですか。
現時点では、「2030年に2020年度比のグループ全体の原単位を30%削減すること」を目標としています。原単位というのは、グループの総排出量を売上高で割った値のことです。2023年度からはScope1+2における2030年までのグループ排出量予測や今後の取組の整理等を行い、各社のCO2削減計画検討状況をモニタリングすることで、日揮グループのCO2排出量削減を強化する取り組みを進めています。
――サステナビリティに関連する国内外のルールは整備途上にあるので、先を見据えて対応を進めていく必要もありそうですね。
そうですね、今後、情報開示に関する法規制が厳しくなると言われていて、例えばGHG排出量のデータにも第三者保証が求められるようになります。これまで当社では、グループ会社がそれぞれ算定をおこない、グループとして合算したGHG排出量の値を公表していましたが、この変更に対応するため、今まさに算定精度の向上や内部統制の強化をおこなっているところです。
サステナビリティ推進業務の面白さ・大変さとは?
――業務の中でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
これもまた第三者保証の取得の話になるのですが、今お話したような苦労もありつつ、その過程でこれまで関わることのなかった他部門やグループ会社の立場の異なる方々と一緒に、アイデアを出しながら課題解決に向けて進めていくことに、とてもやりがいを感じます。
サステナビリティ推進業務という広い括りでは、日揮グループにおけるサステナビリティを経営戦略として考えることに面白さを感じています。サステナビリティ委員会にはグループ会社のトップマネジメントが出席するため、経営陣の考え方に触れることができ、刺激を受けますね。今後は、世の中的にもサステナビリティへの取り組みがスタンダードになっているはずですので、こうしてサステナビリティ推進業務に携われているのは長い目で見ても良い経験になると思っています。

――仕事をしている中で、大変だなと感じるのはどんなことでしょうか。
第三者保証の取得準備を進めるにあたって、グループ会社ごとにGHG排出量の仕分けをするのが非常に難しかったですね。というのも、当グループにはエンジニアリング会社と製造会社がありますので、業態ごとにGHG排出量を計上するカテゴリが違ったり、GHG排出量を算定する際の課題が違ったりするからです。また、会社によって内部事情やGHG排出量削減への対応状況も違うので、体制づくりも苦労しました。
――業態ごと・会社ごとの対応が必要になるわけですね。円滑に進めるために工夫していることはありますか。
GHG排出量をより正確に算定する必要性を各社に個別に説明する場を設けたり、算定上の課題がある場合は何度も打合せをして各社の状況や課題をヒアリングしたりして、密にコミュニケーションを取って歩調を合わせて進めています。
私も以前は技術開発部門にいたのでよく分かるのですが、「会社として対応が必要なことではあるものの、ビジネスには直結しない仕事」はどうしても優先順位が低くなりがちです。そこで、なるべく負担をかけないように、こちらで調べ物をしたり、指示を細かく丁寧にしたりしていますね。
まとめ
今回の記事では、日揮グループのサステナビリティ推進に携わる日揮HDの若手社員に、仕事の内容ややりがい、新規事業開発の面白さなどについて聞きました。インタビュー後半では、学生時代や、プライベートの過ごし方などについてお伺いします。